すゞしろ日記

東大出版会が出している小冊子に『UP』というものがあります。
そこに連載されていた、画家山口晃さんの日記エッセイへなちょこ漫画『すゞしろ日記』(こちらの版元は羽鳥書店さん)がうちに届きました。
定価2500円とお安くはないですが、『UP』に連載されていた分以外のものも掲載されていて魅力たっぷり。
個人的にツボだったのは、『私的ラジオ生活』というやつで、山口さんのご幼少のみぎりのラジオ話。『日ようの午前は「キユーピーバックグラウンドミュージック」。このテーマ曲こそ僕にとっての日ようの朝である。』というコメントに、いままで誰に言っても芳しい反応が返ってこなかった話題だったので大興奮。ちゃっちゃからっちゃちゃらちゃららー ちゃららららん!というアコーディオンだかハモンドオルガンだかのあの曲を聴くと、日曜10時だって気分がしますよねえ…(あとで調べたところによると、その曲はアルフレッドハウゼ楽団演奏のミリタリー・タンゴらしいですが)これに限らず山口さんの話題、ツボだでいかんわ。
(しらべたらこんなのがあったよ… youtubeおそるべし)
基本的には山口さんとその奥様の日常のお話ですが、ほのぼの脱力、へなへな感がたまりません。じつは山口さん、うちの徒歩圏にお住まいらしく、一度でいいから小難しい話抜きでオタク話をしてみたい…。いや、きっと山口さんはオタクじゃないんでしょうけど。

『UP』自体は大学出版会の出す本、というご他聞にもれずアカデミアなかったーーい記事が多かったりするわけですが、安い割に(1部100円)読みごたえ十分で、大学院時代には実験の反応待ちのいい相棒でした。UPももおすすめです。