日本SF大賞 伊藤計劃さんの「ハーモニー」に

第30回日本SF大賞(日本SF作家クラブ主催)が6日、故・伊藤計劃(けいかく)さんの「ハーモニー」(早川書房)に決まった。故人の大賞受賞は初めて。また、5月に死去した栗本薫さんの「グイン・サーガ」に特別賞が贈られる。

 伊藤さんは気鋭のSF作家として期待されながら、がんのため今年3月に34歳の若さで死去した。「ハーモニー」はSFファンの投票で選ばれる今年の「星雲賞」日本長編部門も受賞している。

 第11回日本SF新人賞(同)は、伊野隆之さん「森の言葉/森への飛翔」▽山口優さん「シンギュラリティ・コンクェスト」が選ばれた。

 ▽伊藤計劃(けいかく)さんの両親のコメント 息子を亡くして、親として、とても寂しい思いをしておりました時に、うれしいニュースが飛び込んできました。栄誉ある素晴らしい賞を頂くことができて感激しております。「ハーモニー」は、ほとんど病院のベッドの上で書き上げたものです。残された時間の中で精いっぱい持てるエネルギーを投入して完成させることができました。さっそく墓前に報告いたします。応援して下さった皆様ありがとうございました。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20091206mog00m040029000c.html より引用

今朝の東京新聞朝日新聞でも取り上げられていましたが、今年の日本SF大賞受賞作が伊藤計劃さんの「ハーモニー」に決まったそうです。
一時退院された伊藤さんとカラオケに行ったり、最後の入院時に病床を何度かお見舞いしたことが思い出されます。個人的には長谷敏司さんの『あなたのための物語』に持っていかれるかも、と予想していたのですが(こちらもよい作品ですが、若干冗長だったかな…。)、SF最高峰の賞に認められて本当によかったと思います。仮に「亡くなったから」という理由で作品が持ち上げられたとすれば、伊藤さんの硬骨からすれば屈辱でしょうが、今回の受賞作は大賞の名に恥じない作品でしたから、そうした危惧は無用でしょう。そういう意味では、転載した記事は事実関係を書いたものであるにせよ「故人の大賞受賞は初めて」は大きなお世話だよ、と思ったりもします。

http://www.amazon.co.jp/dp/415208992X/