竜頭蛇尾というよりひどい結果に。

スパコン予算、復活へ 仕分け結果を転換、227億円
鳩山政権は16日、事業仕分けで「凍結」と判定された「次世代スーパーコンピューターの開発」の「復活」を認め、2010年度予算で227億円を計上することを決めた。科学者らの強い反発を踏まえ、初めて仕分け結果を転換した。文部科学省の概算要求(268億円)と比べても41億円の減額(約15%減)にとどまった。
(中略)
だが、ノーベル賞受賞者らが仕分け結果に強く反発し、科学技術予算の重要性を強調した。これを受けて3閣僚は川端達夫文科相と16日に協議し、「説明会などで説明責任を果たす」ことを条件に予算の「復活」を受け入れた。大串博志財務政務官は記者会見で「政治の意思で決めた。特例的な結果だ」と説明した。(以下略) http://www.asahi.com/politics/update/1216/TKY200912160356.html より

我が国のスパコンはァァァァァァァアアア世界一ィィィイイイイ、というワンフレーズだけが得をして、若手の競争資金は復活されず、というイビツな構造を誰が望んだんですかねえ。残念ながら、週刊文春のインタビューで危惧したことが現実になっていくようで、残念です。しかし文科省によせられたバブリックコメントをみると、ずいぶん偉い肩書きを背負っている方々もげんなりするコメントをしておられます。

女性研究者について:研究支援は本来、男女を問わず平等に行われるべきである。本制度の対象となるであろう30代後半から40代前半の研究者の男女比を考慮すると、分野によるかもしれないが、女性の割合30%は多すぎであると思われる。これだけの割合で女性研究者の課題を採択しようとすると、本来、このような厚い支援を受けるべきでない女性研究者が支援を受けることになり、税金の有効活用ができなくなると思う。

女性研究者支援についてであるが、現在の幾つかの大学の対応は行き過ぎであると思われる。研究者の公募が女性限定であるというような完全な男性差別の状態もあるようである。有能な女性が女性であるという理由で不利益を被るのは間違った状態であるが、女性研究者を増やすために有能な男性研究者を差し置いて女性を採用するということが起きれば愚かである。研究者はその研究能力で評価されるべきである。当たり前のことである。

この方々はアファーマティブアクションという言葉をきっと存じておられないのでしょう。パブコメを書く真摯な姿勢とか労力とかいったものは、科学研究をちゃんと守らなければならない、という危機意識の現れでもあるわけですから、本来敬意をもって接するべきなんでしょうが…。なんにしても「女なんかほっといて俺たちを救えよ!」なんてことを言っている場合じゃないのをお分かりでないご様子。こうした「放言」に近いものをみるとさらなる徒労感に襲われるわけですが、そういうわけにもいきません。それはそれ、これはこれとして、自分のやるべきことをやりたいと思います。